医療機器の漏れ電流についてお伝えします。
ここ最近電気の話ばかりで、看護師さんにとっては少々難しい話になっているかと思いますが医療安全上きわめて重要な話ですので最後までお読みいただけましたら幸甚です。
漏れ電流とは、本来流れるべきでない電路や絶縁物に流れる電流のことです。 漏れ電流は、配線や機器の絶縁性能の低下、電解コンデンサの特性、電圧の印加などによって発生します。 漏れ電流には、接地漏れ電流、接触電流(外装漏れ電流)、患者漏れ電流などの種類があります。 漏れ電流が大きすぎると、漏電ブレーカーが作動したり、感電や火災の危険があります
この他に患者さんに電極を装着する医療機器(心電計、心電図モニター、低周波治療器など)では、大きな漏れ電流が存在していた場合患者さんに電撃を与えてしまうリスクが発生します。これを防ぐためにこの漏れ電流をアース線(保護接地)を通して大地に逃がす機構が付いています。3本の電源コンセントプラグの一番長いピンがこのアースになります。
したがって、このアースが取れていない状態(2Pへの変換プラグが付いていて、変換プラグのアースコードがアースに繋がれていないなど)ですと、大きな漏れ電流が存在した場合に患者さんに電撃を与えてしまう危険性が増してきますの取り扱いに注意が必要です。
医療機器の漏れ電流はこのようなリスクに備えて定期的にチェックしておく必要が有ります。
特に患者さんに電極を装着する機器(心電計、心電図モニター、低周波治療器、脳波計、筋電計、ABI、心エコーなど)生理検査室、リハビリ室、手術室、ICUなどでは必要な作業となります。
漏れ電流は少なからず概ね存在していますので、完全に除去することはできませんが、これもJIS(日本工業規格)によって定められた基準値に以下になっていれば安全性は単ポイされているとジャッジされます。
患者さんへの電撃(感電)は心室細動を誘発する可能性のある大変危険なものです。
このリスクがきちんと標準通りに保たれているかをチェックしましょう。
また、絶縁抵抗というのが有り、これは本来絶縁されているはずの場所の電気抵抗を測定しこれが0.1MΩ以上の抵抗値を示せばOKです。理想は無限大です。
弊社では特にリハビリの機器で温浴療法などの感電の許されない機器の安全性をチェックするために漏れ電流と一緒に測定しています。
また、電気メスでは高周波漏れ電流という、出力をしている時のメス先と対極板から発生する漏れ電流が基準値いないかの測定も行います。
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