2023年の日本医療安全学会に参加いたしました。医療機器関連の演題を聞いてきましたのでレポート致します。
「医療機器関連インシデントはなぜ少なく見えるのか」
日本医療機能評価機構等の集計報告では医療機器や医療材料に関連するインシデントは多くはないが、医療安全管理部門専従臨床工学技士は医療機器に関するインシデントが、点滴などの他の表題で報告されていることを目にする。それはなぜか。臨床工学技士の活用、医療機器安全管理の今後の展望も検討し、他職種協働の医療安全の必要性を考える。
といった内容で5施設の臨床工学技士から演題発表が有りました。
要約すると
1、インシデントレポートに医療機器が絡んでいても他の領域で出されることが多い。輸液ポンプに関する事は薬剤。透析や手術に関する事は治療処置の領域にされたりする。
- 医療機器に対する看護師の知識不足が原因と考えられる。
- モニターアラームに関してはモニターのオオカミ少年化によりアラームが無視されている要対策項目。
- 医療安全部門に臨床工学技士の積極的参入が必要。
- 医療機器に関する隠れインシデントは数多く存在する。
昨今医療機器は新しい機能が追加されてきています。これは医療安全対策でメーカーが開発した新機能ですが、これを理解していないと新たなインシデント?と思われる事例も出てきています。テルモ社のシリンジポンプには閉塞時における自動早送り防止機能が載っていますがこうした新機能は理解していないと誤解からトラブル(投薬の領域で報告されていた)につながるケースが過去にもありました(田中も経験済み)こういった意味でも
医療機器の専門家を医療安全に組み込むことは正確なデータを取るためにも必要と思われます。
私も肌間隔で医療機器のインシデントはもっと多く存在していると感じています。
電源の取り方がまずいとか、輸液ポンプがベッドサイドでバッテリー駆動していることに気づいていないとか、臨床現場を巡回すると結構な頻度で目にします。
コメント
COMMENT