モニターのテクニカルアラームその2
- 電極はずれ・コード断線
- 電波切れ・電池切れ
- 体動による誤解析・筋電図
- アラームにならないアーチファクト(交流障害・ドリフト)
- ダブルカウント
- 心電図の変化による誤解析
3,体動による誤解析・筋電図についてです
体動による誤解析とは体動が有った時心電図の波形自体が乱れてしまうことで、心室細動やショートランの様な不整脈に見えてしまう様に乱れてしまいがちです。それをモニタがVFとかRUNなどと誤解析してしまう一時的な現象で、患者さんの体動が収まれば元に戻ります。
また、患者さんが寒さなどで震えていたり、強張っていたりして体に力が入りすぎたり、ずっと力が入りっぱなしだったりすると筋電図が心電図波形に混入してきます。
患者さんが寒かったら寝具の工夫で温めてあげれば解決することもありますが、それでもダメな場合は電極を貼る位置を変えてあげると良いです。通常は右肩付近の胸に赤、左肩付近の胸に黄、第5肋間左前腋下付近の胸部に緑と電極を貼りますが、赤と緑の電極をそれぞれ胸骨上端、胸骨下端に移動します。これはホルター心電図(24時間心電図)で使うNASA誘導で筋電図が極めて入りにくくきれいに心電図を導出できる誘導です。
筋電図はひどい場合はQRS波が認識できなくなるいくらいに激しく入った例が有りました。この例は心拍数のカウントが出来なくなっていた為、NASA誘導に変えた所大変きれいに心電図が導出されました。
4,アラームにならないアーチファクト
これは交流障害(ハム)といって蛍光灯や電源コンセントから商用交流のノイズが混入してくる現象です。心電図の基線に規則正しい50Hz(西日本では60Hz)ギザギザの波形が混入します。原因は電極と皮膚の接触(電気)抵抗が高いためで、電極が剥がれかけていたり
、乾燥肌で表皮が剥がれて電極が浮いたり、心電図の誘導コードに破損が有ったりした場合に発生します。まずは電極の貼付状態を確認し、問題が無い場合はコードの交換などを行います。ドリフトは胸部に貼るべき電極が大隔膜より下の腹部に貼られていた場合、腹式呼吸で腹部が上下に揺れるとそれに合わせて波形の基線も上下に振れる現象です。
これも電極と皮膚の間が発汗したりでも起こります。
対策としては電極の貼付状態、場所を確認します。
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