第98回日本医療機器学会大会レポート 医療安全 放射線技師における術中体内遺残防止に対する取り組みに関して  大阪大学医学部附属病院 放射線部門

第98回日本医療機器学会大会レポート

 

医療安全

放射線技師における術中体内遺残防止に対する取り組みに関して

大阪大学医学部附属病院 放射線部門

 

第98回日本医療機器学会大会予稿集より一部引用

 

背景

手術医療の実践ガイドラインにおいて、「手術終了後は、X線撮影による体内遺残の確認を行うことが望ましい。また器械・ガーゼ・針などのカウントの結果は記録に残すことが望ましい」と明記されている。

手術室における放射線技師の業務はX線撮影およびX線透視による画像支援であるが、体内遺残を検出するという医療事故防止の観点からも重要な役割を担っている。

ただし、現状として体内遺残の画像支援に於いてどのようにアプローチするか明確ではない。遺残の画像提供に関するワークフローを検討した。

 

 

 

術中の遺残探しにおける傾向は、1位がガーゼ、2位が針で全体を圧倒していました。特に針が撮影と透視でどう見えるかを確認され、術中X線撮影では距離を20cm離すごとに約1㎝撮影範囲が広くなっていました。

 

考察として患者背面とカセッテの間に生じた距離により画像が拡大するため、体格の大きな患者に於いて確認漏れが生じるリスクがあるようです。

透視はリアルタイムかつ任意のアングルで広範囲を確認可能な点が有利だが、周辺の手術機材との状況によって使用するか否かを判断する必要があるとのことです。

 

結語としてX線撮影での対応を第1選択とするが、完全に体内を描出できない場合や違う角度での確認を要する場合は、投資でカバーするのが効率よく確認漏れも回避できると結論づけておられました。

 

機材のカウントだけでなくX線によるダブルチェックは大変意義のあることですよね。

このワークフローの検討は相当なご苦労が有ったと感じます。

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