第98回日本医療機器学会大会レポート 医療安全 心電図モニタ管理改善の学習的取り組みによって得た病棟看護師の現状と課題  岐阜県立多治見病院 看護師

第98回日本医療機器学会大会レポート

 

医療安全

心電図モニタ管理改善の学習的取り組みによって得た病棟看護師の現状と課題

岐阜県立多治見病院 看護師

 

第98回日本医療機器学会大会予稿集より一部引用

 

背景

呼吸・心臓が停止していたにも関わらず、市電図モニタの波形が出ていなかったことに気が付かなかったアクシデントが発生したため、日本医療機器学会集録の文献に沿って学習的な取り組みを行い、病棟看護師の心電図モニタ管理における現状と課題の抽出を試みた。

 

方法

  • モニタ管理に関わるインシデント・アクシデントに関する文献を検索し抽出

「医療機器のアラームに関わるインシデント・アクシデント事例からみる再発防止の検討」

⇒勉強会の開催や読み合わせは人員不足でできない

  • ポスターで内容紹介
  • 事例に対し経験・思い当たることについて質問紙調査
  • 文献が示す改善策に対し、共感できる事・実践できそうな事・要望する事についてシール投票
  • アンケート結果を集計・評価しフィードバック

 

結果

常時確認できる状態ではなく日常的に複数のアラームが作動し、危機意識が低くなり接続外れや電源切れに気づかないことが多い現状であった。

 

1,アラーム作動し、作動に気づいていた事例

手が離せない 忙しい時間帯 日常的に作動し危機意識が低下

2,アラームが作動しなかった事例

部屋移動後に電源確認を忘れた 機器の接続忘れに気が付かなかった 電源切れに気づかなかった

 

対策

  • ナースステーションに1名待機できる体制を作る
  • PHS連動機器の導入
  • アラームの無駄鳴り減らす
  • 定期的にアラーム設定を見直す
  • 機器の移動後、速やかにコンセントのダブルチェック
  • 設定や表示に疑問があるときはMEに早期に相談
  • 担当者の手が離せない時は他の看護師に確認を依頼する
  • 全画面用のアラームを中断しない
  • ナースステーションに戻ったらモニタ確認

10,定期的にモニタを確認できる仕組み作り

 

結果的にPHS連動機は導入されたそうです。この点はフロアから既に導入したがPHS側でアラームが消せてしまうので何でも入れれば良いものではないという指摘が出ましたが、多治見病院ではPHSで消せるタイプではないため結局はベッドサイドに駆け付けなければならない点でよかったと言ってました。

 

しかしながら、以下の点が課題として残っています。

  • アラームの無駄鳴りを減らす対策とスタッフ間の連携の継続
  • 電源確認をする行動の定着化と継続化
  • 今回改善策として選択された回答を、今後の病棟・医療安全の目標の参考にし、行動変容の向上に繋げる。
  • 心理的安全性を育てる病棟の風土作り
  • 人員不足の組織に沿った学習方法の模索

 

私なりの見解ですがアラームの無駄な理に関しては人為的に防止することは可能だと思っています。先日某病院で院内を巡回中に心電図とSpO2をモニタリングしている患者さんが居ました。この方はSpO2が85%台でアラームを発動していましたが、同時に導出される脈波の波形が乱れていたため、このデータの信憑性を疑う状況でした。まずはベッドサイドでのSpO2センサーの状態や患者さん状態を確認して手を打つべきですが、この状況知ってか知らずか放置されていました。

2の電源確認は特に送信機に多く。未使用の送信機の電源がONのままで放置されている事例は後を絶ちません。また、セントラルモニタは未使用のチャネルは中断状態になっていることが多く、再開にした時にフラットの波形が出現し電極確認アラームが出ることで簡単に発見できます。これらの事を人員不足の看護師さんに求めるのは酷なためME(私)が巡回時にフォローしています。逆に送信機を作動しているのにモニタが中断状態になったままという事例もあります。

 

最後に人員不足に関しては古くから言われ続けていることですが、コロナ禍の関係でどこの業界でも人で不足が深刻になっています。そして迎える寸前の2025年問題や医師のタスクシフトなど益々人で不足が深刻化していくことは目に見えています。

 

これに対する対策は業界問わずDXとアウトソーシングではないでしょうか?

不足する人員の生産性を維持し、業務を効率化して人件費を抑制するには内製化では限界があると思うのですが如何お考えでしょうか?

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