医用テレメータの電波管理に関して
病棟で使用されている心電図モニター。患者さんに送信機を装着してナースステーションのセントラルモニターに電波で飛ばして監視するおなじみのシステムです。
このテレメータに使用される電波は電波法によって決められたルールに則って使用しなければならず、メーカーも販売時にこのルールに沿ったチャンネル設定を行っています。
医用テレメータの使用可能な電波の周波数帯域は電波法で決められていて420MHz~440MHz帯で、この帯域を480個に分割しています。この480個に分割した最小単位をチャンネルといい、送信機に1つのチャンネルが割り当てられます。
送信機を見ると4桁の数字が付いていますがあれはチャンネル番号を意味していて、送信機自体は免許を必要としない「特定小電力無線局」になっています
そして近隣のチャンネルを同時に使うと混信する可能性が有る為これを防ぐためにある程度チャンネル番号の離れた組み合わせで使用することが義務付けられていて、この組み合わせの事をゾーンといいます。例えば1つのモニターで6人監視する時、送信機を6台使いますが、この時チャンネル番号の離れた送信機を6台使います。これもただ離れていれば良いわけではなく決められた組む合わせ(ゾーン)に従って使わなければなりません。
そして、このゾーンは1フロア1ゾーンの原則が有ります。
また、周波数帯域を6つに分けていて、これをバンドといいます。420~440MHzを6つのバンドに分けていてそれぞれバンド1,2,3,4,5,6と分けられチャンネル番号の1桁目はこのバンドを意味します。ある送信機のチャンネル番号が1003とあったとしたら、バンド1の3番のチャンネルという意味になります。
同じフロア、同じモニターでもゾーンが有っていれば異なるバンドのチャンネルを用いても構わないことになっています。AE-5201B.pdf (jeita.or.jp)参照
この様な原則に則ってモニターメーカーは納品据付を行いますが、この原則を理解して管理する人を院内に設けるべきだという議論が為されてきていています。
また、この部分を行うコーディネーターの設置が推奨されています。
新規に病院を建立する時などは病棟の各フロアにアンテナを設置する必要があります。建設企業とモニターメーカー間でアンテナ工事の事前打ち合わせは不可欠ですし、院内無線LANを使用する場合中継局とテレメータの間で干渉が起こり、モニターが電波切れになる現象が発生します。このような事を防止するためにも無線LANの中継局を設置する場所を考慮する必要があります。
これも無線LANメーカーとモニターメーカーの事前打ち合わせ及び建築関連企業との綿密な打ち合わせが無いと後で問題が発生することになりますので注意が必要です。
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